iryouhoujin taihakukai
医療法人 太白会
〒755-0241
山口県宇部市大字東岐波字丸尾4322-1
TEL:0836-58-5360
FAX0836-58-5362
診療科目 内科/呼吸器内科/アレルギー科/循環器内科/リハビリテーション科
シーサイド病院
医療法人太白会シーサイド病院
Ⅰ.はじめに
身体的拘束は患者の権利である自由を制限するのみならず、きわめて非倫理的行為であり、基本的な考えに基づいた上でなされるべきである。患者の基本的人権(尊厳)を尊重できるよう、当院の指針を以下に定める。
身体的拘束採用かを推進するためには、組織風土の改革が必要であり、身体的拘束を実施しない代替手段を提供することが重要である。
Ⅱ.基本方針
1.身体的拘束最小化に関する基本的な考え方
身体的拘束は、患者の自由を制限することであり、尊厳ある生活を阻むものである。
医療法人太白会シーサイド病院では、患者の尊厳と主体性を尊重し、拘束を安易に正当化することなく、職員一人ひとりが拘束による身体的・精神的弊害を理解し、拘束廃止に向けた意識を持ち、緊急やむを得ない場合を除き身体的拘束をしない医療・看護の提供に努める。
この指針でいう身体的拘束は、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいう。
2.緊急やむを得ず身的体拘束を行う場合
1)緊急やむを得ず身体的拘束を行う要件
患者の生命または身体を保護するための措置として、緊急をやむを得ず身体的拘束を行う場合は、次の3要件を
すべて満たした場合に限り、必要最低限の身体的拘束を行うことができる。
【切迫性】患者本人またはほかの患者の生命または身体が危険にさらされている可能性が著しく高いこと
【非代替性】身体的拘束を行う以外に切迫性を除く方法がないこと
【一時性】身体的拘束が必要最低限の期間であること
2)緊急やむを得ず身体的拘束を行う場合の説明と同意
上記3要件については医師・看護師を含む多職種で検討し、医師が指示し、患者・家族などへの説明と同意を
得て行うことを原則とする。
3.身体的拘束最小化に取り組む姿勢
1)患者等が問題行動に至った経緯をアセスメントし、問題行動の背景を理解する。
2)身体的拘束をすぐに行う必要性があるかを複数名で評価し、身体的拘束をしなくても良い方法を検討する。
3)多職種によるカンファレンスを実施し、身体的拘束の必要性や患者に適した用具であるかなどを評価する。
4)身体的拘束は一時的に行うものであり、期間を定めアセスメントを行い、身体的拘束解除に向けて取り組む。
5)身体的拘束を行う必要性を生じさせないために、日常的に以下のことに取り組む。
(1)患者主体の行動、尊厳を尊重する。
(2)言葉や応対などで、患者などの精神的自由を妨げない。
(3)患者の思いをくみ取り、患者の意向に沿った医療・ケアを提供し、多職種協働で患者に応じた丁寧な対応
に努める。
(4)身体的拘束を誘発する原因の特定と除去に努める。
(5)薬物療法、非薬物療法による認知症ケアやせん妄予防により、患者の危険行動を予防する。
6)身体的拘束には該当しない患者の身体又は衣服に触れない用具であっても、患者の自由な行動を制限すること
を意図とした使用は最小限とする。
7)薬剤による行動の制限は身体的拘束には該当しないが、患者・家族等に説明を行い、同意を得て使用する。
検査や酸素投与や処置時など、薬剤による鎮静を行う場合は鎮静薬の必要性と効果を評価し、必要な深度を
超えないよう、適正量の薬剤を使用する。
Ⅲ.身体的拘束最小化のための体制
1.身体的拘束最小化チームの設置
身体的拘束最小化を目的として身体的拘束最小化チームを設置し、3か月に1回開催する。チーム構成員は医療安全対策委員会の中で院長が必要と認めた職員が兼任し、医療安全対策委員会後に開催とする。
1)チームの構成
(1)医療安全対策委員長(院長)
(2)看護部医療安全委員長(師長)
(3)医療安全委員会委員として参加している看護部長、看護師長
(4)医療安全対策委員会の委員のうち院長が必要と認める者
(5)医療安全対策委員会の委員以外で院長が必要と認める者
2)チームの役割・業務
(1)身体的拘束の実施状況の把握及び職員への定期的な周知
(2)身体的拘束を最小化するための指針の作成及び見直し並びに職員への周知
(3)身体的拘束最小化に関する研修を2回/年以上開催
(4)身体的拘束の実施割合の集計
(5)1回/3か月以上、最小化チーム会議を開催
(6)最小化チームの職員が定期的にラウンドを実施し、身体的拘束解除や代替案の導入に向けた具体的な検討を実施
Ⅳ.身体的拘束最小化のための職員教育、研修
1.研修内容は、支援に関わる全ての職員に対して実施、身体的拘束最小化と人権を尊重したケアの実施を図る。
2.職員研修は原則年2回(以上)実施する。
Ⅴ.緊急やむを得ず身体的拘束などを行わざるを得ない場合の対応
患者等の生命または身体を保護するための措置として、緊急をやむを得ず身体的拘束を行わなければならない場合は、以下の手順に従って実施する。
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緊急をやむを得ず身体的拘束をせざるを得ない状態であるかどうかを、医師と看護職員を含む多職種によるカンファレンスで検討する。必要と認めた場合、医師は身体的拘束の指示をする。
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医師は同意書を作成し、事前に患者・家族などに説明して身体的拘束開始の同意を得る。ただし、直ちに身体的拘束が要する切迫した状況で、事前に同意を得ることが困難な場合は、身体的拘束開始後直ちに家族等に説明して同意を得る。
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患者・家族等の同意を得られない場合は、身体的拘束をしないことで起こりうる不利益や危険性を説明し、診療録に記載する。
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身体的拘束中は身体的拘束の態様および時間、その際の患者の心身の状態ならびに緊急をやむを得ない理由を記録する。
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身体的拘束中は毎日、身体的拘束の早期解除に向けて、カンファレンスを実施する。カンファレンスでは、やむを得ず身体的拘束を行う3要件を踏まえ、継続の必要性を評価する。
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医師はカンファレンスの内容を踏まえて身体的拘束の継続または解除の有無を指示する。
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身体的拘束を継続する必要がなくなった場合は、速やかに身体的拘束を解除する。
Ⅳ.おわりに
患者が身体的拘束を行わざるを得ない状態である要因によっては、患者の病状および全身状態の安定を図ることが、安全な身体的拘束の実施、早期解除につながる。各職種は、身体的拘束における各々の役割を意識して患者の医療・ケアを提供する。
令和6年7月1日より作成
令和7年12月1日改訂
令和8年4月1日改訂
身体的拘束最小化のための指針
